こんにちは、セラピストの喜島です。

今回も前回の続きです。

 催眠(4)

 

よく顕在意識は左脳的意識で、潜在意識は右脳的意識と言われたりもします。

左脳の主な機能は、思考や分析など論理的なことを司ることで、右脳の主な機能は感性や感覚を司ることです。

左脳は人間的な脳で、右脳は動物的な脳とも言われています。

ヒプノセラピーは、潜在意識に働きかけるセラピーです。なので、右脳の働きが重要になってくると思います。

 

では、左脳と右脳の働きの違いを例を挙げて説明します。

左脳の働きはパソコンのCPUの働きに似ているそうです。

インストールされているプログラムに従って、文字や数字を論理的に分析したり、判断を下したりしています。

また、記憶できる容量が少ないので短期的な記憶しか覚えられないという特徴もあるようです。

 

一方、右脳はCDやハードディスクのようなものだそうです。

視覚,聴覚,味覚,嗅覚,触覚などの五感を通して得た感覚や感性を大量に記憶することができます。

映像や音楽などのデジタル情報を大量に保存ができる大容量の記憶媒体です。

また、その処理スピードも高速で、現代のスーパーコンピューターをもってしても追いつけないぐらいのスピードだそうです。

ある人物を見た瞬間に、この人はいい人だろうと直感で判断したり、この風景なんとなく見たことがあるとか、この味は食べたことがあると瞬時に判断できるのも、高速処理ができる右脳のおかげのようです。

もちろん、ここまで述べたのは右脳と左脳の役割のほんの一部で、まだまだ未知な部分も多いようです。

 

アメリカに、ジル・ボルティー・テーラーという女性の脳学者がいます。

自らの脳卒中の体験をもとに「奇跡の脳」という本を出版した人です。

彼女は自分の脳で起きた脳卒中の発症を脳学者の目線で客観的に観察し、左脳と右脳の役割の違いを体感するという貴重な体験をしています。

その中で以下のように述べています。

 

「左脳と右脳は違います」

「右脳にとって”現在”が全てです。この瞬間、この場所が全てです。右脳は映像で考え、感覚から学びます」

「全ての情報はエネルギーになって一気に流れ込みます。どのように見え、どのように感じ、どのように臭い、どのような味がする」

「右脳という意識で見ると、わたしというエネルギーは周りと繋がった存在なのです」

「わたしたちという存在も、一つの家族としてすべてが繋がったエネルギー的存在なのです」

 

「それに対して左脳は直線的で系統的で過去と未来が全てです」

「この瞬間の膨大で詳細な情報を一つ一つ拾い、過去につなげ未来の可能性に投影します」

「そして左脳は言語で考えます」

「そして、その言語でわたしに語りかけることで、”わたし”という存在を作り出し周りのエネルギーから分離するのです」

 

 

また、彼女の左脳の血管が破れて危機的な状況にある時に、意識が自分の身体から抜け出して、自分の体を上から見下ろしていてるような感覚になったそうです。

そして、周りの全てのエネルギーと自分が一体化したような感覚を感じ、これまでに感じてきたストレスからも解放されて、幸福感で満たされていくような感覚を感じたそうです。

 

この感覚は、わたしが催眠状態の時に、自分と自分以外が一つだと感じたあの感覚と似ているなぁと思いました。

 

最後に右脳だけの感覚を体験した彼女は以下のようなことも述べています。

「わたしたちが右脳の世界にある平安な意識でもっと生きることを選択すれば世界はもっと幸福になる」

 

 

ジル・ボルティー・テーラーがTEDで話しているユーチューブの映像です。(18分38秒)